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七十七銀行 津波訴訟判決

七十七銀行 津波訴訟判決

七十七銀行女川支店の屋上に避難していて犠牲となった12名のうち3名の遺族が提起した民事訴訟に対し、仙台地裁は225日請求棄却の判決を言い渡しました。

新聞報道によりますと、判決の要旨は、「支店の屋上を越える津波の予測は困難。260m離れた堀切山に避難せず屋上を避難所にしたとしてもその判断が不適切とは言えない。企業が最悪の事態を常に想定して行政機関より高い安全性を労働者に補償すべきとは言えない」と言うものです。

過失については、これまでも何度かブログに書いてきましたが、簡単そうで実は奥深いものがあります。

確かに、260m程度のところにある堀切山に避難していたら、犠牲にならなくて済んだとすれば遺族としては誠に残念と言うほかないと思います。

しかしながら屋上に避難したことが間違いかどうかというと2階建てビルの屋上なら安全だと震災前は誰もがそう思っていたものと思います。皆が思っていれば過失がないというものではありませんが、その時犠牲者の方々や支店長の判断としては合理的だったということができるものと思います。実際、犠牲になった方々が屋上では危ない、堀切山が良いと思えば皆がそのように行動していたかもしれないので、この場合指揮官といえども支店長だけが判断ミスと言うのもやはり酷だと思います。

ところでさらに1歩進めて、もし支店長が屋上に避難させずにそのまま店内で仕事をさせていたらどうでしょうか。この支店長のはけしからん、ミスだと感ずる方も多いと思います。

しかしこの判決の内容では、屋上に避難させてもやはり犠牲になったから結果は変わらなかった、支店長の不作為と犠牲と言う結果発生には因果関係はないので、やはり請求棄却になるのではないかと考えられます、こちらの方が受け入れにくいのはどこにあるのでしょうか。

企業経営者にとって、今回の震災でものすごい津波が想定され。メディアでも想定津波の高さが広報されているので、それに見合った避難方法を確保しないと今度は予見可能性が肯定され安全配慮義務が認められて損害賠償が肯定されることを胆に銘じておく必要があります。

投稿者 ふりはた綜合法律事務所 | 2014年2月26日 12:22

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